「断食」について皆さんはどのような印象をお持ちですか?
ダイエットを目的として始める方もいれば、健康のために取り入れる方もいるようです。
今では自宅で簡単に始められる「プチ断食」というものも流行っていますが、心身鍛錬などの理由で修行として始める方も多いのです。
実際に体験した方の中には「生き方が変わった」「やってよかった」という感想も多く聞かれます。
自分を見直すきっかけに断食修行を体験してみるのもいいでしょう。今までの考え方、生き方が変わるかもしれません。
今回は、断食修行を行っている『成田山』というお寺についてご紹介いたします。
そして気になる修行中の過ごし方は?どんな服装がいい?など知りたいであろうことをお伝えします。
修行に興味をお持ちの方、是非参考にしてみてくださいね。
目次
成田山とはどのような場所なの?
正しくは成田山新勝寺(なりたさん しんしょうじ)と言い、千葉県成田市にあるお寺です。簡単に特徴を説明します。
- 真言宗智山派の仏教寺
- 成田山(なりたやま)と呼ばれることが多い
- 中心としてまつられている本尊は‟不動明王”
- 国の重要文化財もある
このような特徴があり、初詣の参拝客数は、社寺としては明治神宮に次ぐ全国第2位。寺院に限れば全国第1位の参拝客数なのです。
成田山の2月に行われる節分会ではお相撲さんやNHK大河ドラマのキャストが豆をまきます。
毎回大きな賑わいを見せる大行事です。テレビで見たことがあるのではないでしょうか?
このようにとっても有名なお寺です。安心して修行が出来そうですね。
断食修行を始める前に知っておくべきこと
では、修行はどのように始めるのか説明いたします。
修行の概要
- 期間
2泊3日~6泊7日まで(初めての人は3泊4日まで)
- 費用
2泊3日5,000円 4日目以降1日につき1,000円ずつ加算
- 持ちもの
着替え・財布・保険証・目覚まし時計・ノート・ペン・洗面用具・ウェットシート・本(仏教関連のもののみ可)
- 持ってきてはいけないもの
目覚まし時計以外の電化製品・薬・飲食物
※携帯電話・スマホは預かっていただけないので自宅に置いていきましょう。
注意事項
修行を行う前にいくつかの注意事項があります。前もってチェックしておきましょう。
- 事前予約が必要。予約がない方は入堂できません
- 道場は不動尊信仰に基づく心身鍛錬のための場所なので、異なる目的のための入堂はできません
- 病気治療を目的とした修行ではないため、お薬を服用中の方は修行できません
- その他、不適切と判断した場合、退堂を命じることがあります
このような注意事項があります。あくまでも「心身を鍛えたい」と言う事を目的として利用しましょう。
手続き方法
では、始めるにあたって、手続きの流れを説明します。
- 断食参龍修行係(0476₋22-2111)に連絡の上、日程の予定を申請します
- 入堂当日は公共交通機関または送迎にて行きましょう
- 当日行く際は診断書を持参して行きます
(成田山が指定する病院にて健康診断(断食者用)を受けることになります。)
- 参龍堂にて担当者の指導を受け、申込書に記入。保証人の連絡先も必要になります
事前に健康診断を受けたり、保証人が必要だったりと、安易に始められるものではないと言う事が分かりますね。
簡単な気持ちではなく、しっかりやり通す覚悟をもって始めることをお勧めします。
断食修行のスケジュール
修行中に携帯電話やスマホは持ち込めません。普段当たり前に使っていたスマホが使えないというのは、不便に感じるかもしれませんね。
私自身、時間を見るのも暇をつぶすのも全てスマホを使っています。
この環境から離れると言う事も自分を見つめ直すことに繋がるのでしょう。
それでは、修行はどのような流れで過ごすのかを説明します。
1日の流れ
- 朝
4時半起床。健康チェック、大本堂にて御護摩祈祷を参拝(諸願の成就を祈る行事)などを行います。
- 昼
健康チェックのみ。
- 夜
10時就寝。
以上が1日の流れです。毎日忙しく過ごしている方にとっては、ほぼやることがなくてとっても暇ですね。
修行だからと言って、道場の掃除をするとか座禅をさせられると言う事は一切ありません。
この何にもない時間をどのように過ごすかが修行中の鍵を握るようです。
修行中の過ごし方
断食修行ですから、勿論修行中は水しか飲めません。
修行が始まると世話係という方に、やかんと湯飲みを渡され、修行中は1日2Ⅼ飲むようになります。
その水を飲んで、ただ過ごすのではなく修行中は自由時間にやれることがあります。
- 座禅をしながら静かに心の中で呼吸を整える
座禅は義務ではありません。ただ時間があるのなら自分を見つめ直す時間として「無」になるのもいいかと思います。
- 境内の書道美術館、仏教図書館が利用できる
本来有料である場所が修行者は無料という特典があります。仏教図書館は仏教の本ですが、漫画もあって読みやすいものもあるようです。
- 公園を散歩する
成田山には公園があり、なんと東京ドーム約3.5個分もある広さです。自然豊かで滝や池もあり、すがすがしい気分になりそうですね。
このように工夫次第で暇な時間を充実した時間に変えられるという事が分かっていただけたかと思います。
のんびり自然と触れ合い、自分を見つめる時間を堪能してみてはいかがでしょう。
最終日の朝
最終日の朝はご飯が食べられます。朝食といっても断食後初めての朝食ですから、体に負担のないものが出されます。
メニューとして、重湯(水分を多めに炊いたお粥の上澄み)、焼き味噌、梅干し、お茶です。
日頃の食事からすると「え、これだけ?」というメニューですが、修行を終えての朝食としては豪華に感じるようですよ。
そしてありがたみを感じることができ、食への大切さに気づくのです。
修行が終わった後は、達成感とやり切ったことへの自信が得られるでしょう。
当たり前ですが断食をしていたんですから、勿論体重も減っています。ここも嬉しいポイントですね!
また、お寺の方と会話をすることで「人のために尽くすことは自分にも得られるものがある」と言う事を学んだと話す方もいました。
断食修行は、忙しい毎日では得られないものが得られる大切な時間のようです。
修行中の服装は何がいい?
修行用の服は特に用意されていませんので、自分で持って行ったものを着ます。
運動をするわけではありませんが、上下ジャージ素材の動きやすいものがいいでしょう。
季節にも寄りますが、道場は夕方から冷え込みます。何か羽織れるものを持参するといいですよ。
ちなみに、修行中お風呂やシャワーも使えません。下着は数枚持つなどした方が後々困らないかと思います。
体を拭くウェットシートなども必須アイテムですね。
「お風呂に入らないの?辛い」と、感じる方もいるかもしれませんが、断食修行は日々の生活からかけ離れたものだからこそ鍛錬になるのです。
まとめ
- 成田山は、寺院の中で初詣の参拝客数第1位の有名なお寺
- 断食修行は予約をして、診断書をもらうなど事前の準備が必要
- 修行中は水だけで過ごし、自由時間は自分を見つめ直す時間に使える
- 修行中の服装は、動きやすく気温の差に対応できるものを準備しよう
- 修行中、体を洗えないためウェットシートを準備しよう
断食修行とは「よし行ってみよう」と簡単に行動に移せるものではないかもしれません。
本当にやり遂げられるか、どのような目標をもってやるのか、しっかり考えた上、覚悟をもって行いましょう。
修行を終えた先には大きな達成感があります。体重も減り、大きな自信を身にまとった自分が待っていることは間違いないでしょう。
まとまった休みがあり、覚悟があれば是非挑戦してみてはいかがですか?きっと得られるものは大きく、新しい自分に会えるはずですよ。
コメントを残す