皆さん、「統合失調症」という症状を知っていますか?簡単に言えば考えや気持ちがまとまらなくなる状態が続く精神疾患のことです。
原因はまだハッキリしておらず、大きなストレスがかかることなどが関係がしているのではないかと言われています。その「統合失調症」について詳しく説明します。
目次
原因不明なところが怖い!「統合失調症」ってどんな症状がでるの?
統合失調症は「陽性症状」「陰性症状」「認知機能障害」の3つに分けられます。
陽性症状
陽性症状は「妄想」「幻覚」「思考障害」という症状がでるものになります。
①妄想
「ずっと監視をされている」など、実際にはないことを自分の中で確信にしてしまう。
②幻覚
「自分の悪口を言われている」などの幻聴やあるはずのないものが見えたりする幻視などを現実にあった感覚になってしまう。
③思考障害
思考が混乱し考え方がまとまらない症状が出たり、自分自身でも話している内容がわからなくなったりする。
これらの症状が陽性症状と言われる症状になります。
陰性症状
陰性症状は「感情の平板化」「思考の貧困」「意欲の欠如」「自閉」という症状がでるものです。
①感情の平板化
喜怒哀楽が少なくなり、相手と会話をしていても共感することが少なくなる。
②思考の貧困
会話での抽象的な言い回しができなかったり、理解出来なかったりする。
③意欲の欠如
自発的に「何かをしよう!」とならなくなってしまう。また、一旦始めた行動の継続が困難になる。
④自閉
社会的引きこもりになってしまい、自分の世界に閉じこまってしまう。他者とのコミュニケーションを取らなくなる。
これらが陰性症状と言われる症状になります。
認知機能障害
認知機能障害は「記憶力の低下」「注意力、集中力の低下」「判断力の低下」という症状がでるものです。
①記憶力の低下
物事を覚えるのに時間がかかるようになる。
②注意力、集中力の低下
目の前の作業に集中したり、考えをまとめたりすることができなくなる。
③判断力の低下
物事の優先順位の判断や計画を立てることが困難になる。
これら3つの症状が特徴的だと言われています。
かなり簡単に言えば、「陽性症状=被害妄想してしまう」「陰性症状=ネガティブ思考になってしまう」「認知機能障害=自分の考えがさまよってしまう」という風な感じになりますね。
原因が分かっていないというのが怖いところですよね。でもこの症状って生きていく上で誰もが経験があったりするものですよね。
なので、「統合失調症」は誰にでも起こり得ることなのです。決して、「自分には関係ないや」などと思わないでください。
自分ではなくても例えば友人や恋人やパートナーがなる可能性もあります。
大切な方がなる可能性もあることなので、この症状を知っているというだけでも違うと思います。
上記でご説明させて頂いたことは主に精神的なものだったのですが、身体にはどのような変化があるかもご紹介させて頂きます。
えっ!統合失調症で太るって本当?
統合失調症の患者さんの約半数は、治療前と治療後で体重増加が確認されています。
この中には病気で痩せてしまった方が回復して体重が健康状態に戻ったというケースもあるそうなのですが、一方では「体重が増えている気がする」「太ってしまった」と悩む患者さんもいるようです。
ただし、一概に太ると言っても、そう感じた方には”個人差”があります。
例えば、1~2キロ体重が増えて深刻に悩む方もいらっしゃいますし、逆に5~10キロ体重が増えても気にしない方もいます。
ですが、急激な体重の増加は身体への負担になってしまうので注意するに越したことはありません。
まさかの治療薬が原因?意外と知られていない太る原因。
患者さんが太る原因として「病気の症状」「薬の副作用」「病状の改善」の3つが挙げられます。
病気の症状
先程上記でご説明させて頂いた「陰陽性症状」は意欲の低下や活動性の低下が精神的に起きている状態なので、その精神状態のときの身体も運動量やエネルギー消費が少なくなっています。
意欲がわかないとなんとなく家に引きこもりがちになってしまいますよね。
「誰とも話したくない」「誰とも会いたくない」「何もしたくない」という感情から日常的に運動をしなくなってしまい、カロリーが消費できなくなってしまうのです。
薬の副作用
効精神病薬による体重増加作用と食欲亢進作用がある為です。
ヒスタミン(薬をのむことで血管の拡張や不随意筋の抑制をされる)という神経伝達物質が伝わる仕組みの1つを薬が抑えてしまうので、
血流の流れが促しにくくなり、勝手に動いてくれる筋肉が動きにくくなるという結果になってしまうということです。
では、ヒスタミンを多く摂ればいいのでは?と考える方もいらっしゃると思うのですが、過剰に摂取してしまうと、ヒスタミンはかゆみや痛みなどの症状の原因とも言われているのでアレルギー症状が出てしまう可能性もあります。
薬での副作用はこれらが原因と考えられます。
病気の改善
統合失調症自体が治療で改善されることにより、きちんと食事がとれるようになった結果、体重増加に繋がるケースです。
こちらの原因でしたら一番いいのですが、原因だけでもこれだけの量があるので「原因はこれ!」と一概に言うことはできないですね。
では、太ると治療や生活面でどのような影響がでてくるのでしょうか。そちらもご紹介させて頂きます。
「太る」ことでこんな影響が…。
治療
まずは「薬の副作用」で太るのが怖くて、「もう薬飲みたくない…。」というパターン。
これは治療中にも関わらず薬を飲むのをやめてしまうことになるので、適切な治療ができなくなってしまうことに繋がります。
ただでさえ、統合失調症の影響で精神的にも不安定な中、治療中である薬の副作用の影響で自分が自分でなくなってしまうようで怖いと感じてしまうのです。
恐怖と戦いながらになるのですが、あくまで薬の副作用の影響なので、適切に治療を行えば改善ができます。
知っていただきたいのは、もし太ったからといって自分が自分でなくなることはありません。「自分が太った原因は薬の副作用の影響か」と軽く考えてほしいです。
これを主治医に黙って量を減らしたり、全く飲まなくなれば、統合失調症がなかなか治せなくなってしまいます。
特に薬の服用を突然やめるということはかなり危険なことになりますので絶対しないでください。
生活面
太ることで身体機能が低下、社会性の低下や生活の質の低下につながり、社会復帰に悪影響が及ぶ可能性があります。
得に女性は容姿の変化に気持ちがついていかず自信や不安が大きくなるケースが多いです。現に、悪循環な食生活や太ることで精神的に大きな影響を与えるということは証明されています。
もちろん容姿の問題がストレスとなることもあるのですが、食べ物の偏りのせいで、身体自体に負担を与えてしまい普段イライラしないところでもついイライラしてしまったりすることがあります。
食事の偏り=太る原因とも言われているのも、食事を見直すことも大切になってきます。
別の病気の危険を高めてしまう
「メタボリックシンドローム」という言葉を聞いたことがないでしょうか。
通称「メタボ」は内臓脂肪型の肥満になるので、身体の中にある臓器などに脂肪がついてしまい、臓器の機能を低下させてしまう原因になってしまいます。
主に、高血圧や脂肪異常、心臓病、動脈硬化などになる危険性が高まるので要注意です。
原因もわかっておらず、誰がなってもおかしくない統合失調症。ではどのように改善をしていけばいいのでしょうか。そちらもご紹介します。
まずは相談!自分で無理せずダイエットしましょう!
簡潔にいうと「医師に相談すること」です。これが一番大切です。太る原因は患者さんの身体の体質によってそれぞれ違います。
原因が1つに限らず複数ある場合もありますので、その患者さんに合わせた治療をお医者さんにしてもらうことが大切です。もちろん症状の出方もさまざまなので、治療方法もさまざまなのです。
「ストレスを溜めない」「太りにくくする」などの対策としてご自身でできる方法といえば、適度な運動をすることになります。
運動をするのでもちろん太りにくくなるというのは分かる方も多いと思うのですが、適度な運動は意外にも身体や精神的なものに対してのストレス解消になるのです。
もちろんハードなものではなくご自身でできる範囲で構いません。苦痛でない範囲で行っていきましょう。
後は、食事の回数や量、時間帯、栄養面の改善です。こちらも「こう決めたからこう!」と固くならず、少し炭水化物の量を減らそうなどの努力からでいいので試してみてください。
もちろん、太った原因が治療がうまくいっている可能性ということもあり得ます。それはご自身ではなくきちんとお医者さんにご相談し、薬の量だったりの調整を相談していきましょう。
まとめ
- 統合失調症になる原因はいまだ不明
- 症状は精神的なものがでやすくなる
- 症状や太る原因もさまざま
- 太ることで社会復帰が困難になったり、治療が長引くケースがある
- まずが医師に相談をすることが初めの第一歩になる
少し難しい内容ではありましたが、統合失調症は強調を何度もさせていただいたのですが、「誰でもなる可能性がある」「原因は不明」というところが本当に怖い症状です。
幸いにも治療方法はあるので、きちんと治療をすれば改善は必ずできます。けれど、精神面で大きな影響がある為、自分1人でこの病気と戦っていくというのは本当に困難なことだと思います。
なので、身近にいる友人や恋人、パートナーがもしこの症状になった場合、もしくは疑いがある場合は一緒に病院に行ったり治療期間中に支えてあげることが本当に大切になってきます。
自分のことを理解してくれていると感じるだけで安心感が全然違います。
何でもご自身で抱え込まず、もし「この症状に当てはまる点があるな」と感じた方は、まずは相談することが一番の近道になってきますのでは勇気を出して病院に行きましょう。
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